飲食サブスクの成功法とは？5つのタイプで解説

　近年、飲食サブスクを一部の企業が成功の鍵と捉え、収益の安定性や顧客獲得の手段として期待を寄せていますが、同時に多くの挑戦やリスクも浮かび上がっています。

１．飲食サブスクとは？

　飲食サブスクとは？

　サブスク（サブスクリプションモデル）は通常、顧客が月額や年額などの定期的な支払いを行い、その代わりに特定の飲食品やサービスを定期的に受け取ることができます。

一般的には、食材や調味料の定期的な配送、飲食店での割引や特典、料理の提供など様々な形態で提供されています。

　サブスクを導入するメリット

　飲食店がサブスクを導入するメリットは、大きく分けて以下の４つです。　

■導入メリット
　① 顧客の来店頻度向上
　　定期的なサービス提供や特典付与により、顧客はとの接点回数が増え、顧客の来店促進やサブスク利用後の長期利用も期待できます。
　② 広告宣伝費の削減
　　サブスクで質の高いものを提供であれば、顧客の友人や家族に紹介されたり、（プレスリリースなどによって）マスコミなどに紹介されたり、他店舗との差別化に繋がったりと広告費をあまりかけずに、新規顧客の獲得ができる可能性が向上します。
　③ 収益の安定性
　　サブスクは定期的な収益を確保しやすく、前払いかつ収益予測が容易になるため、経営の安定性が向上します。
　④ 詳細な顧客データの収集
　　サービス利用時に都度電子チケットを提示いただくことで、 アカウント情報として事前登録された年齢や職業、その情報に紐づけた来店日、時間を収集することができ、マーケティング施策に活用可能です。

　サブスクには様々なメリットが前述しましたが、実際に導入した企業は成功したのでしょうか？どんなビジネス施策もそうですが、やはり成功もあれば失敗もあります。「必ず成功する方法」とまではいかなくても、事例から共通する正攻法を解いてみます。

２．成功と失敗を分けるポイントは？

　全部で5種類！タイプ別で見る飲食サブスク

　まずは様々なサブスク事例をもとに、5つに分類して見ていきます。そして、分類ごとの導入目的／正攻法を分類ごとに紹介します。

A．特定の飲食メニュー型サブスク
特定の飲食物を定額で一定数飲食できる方法。

【目的】
　来店頻度を高め、他メニューの追加注文によって売上に繋げる。
【正攻法】
　1人当たりの注文回数の多い、又は注文頻度の高い商品をサブスクの対象とする。

B．全メニュー型サブスク
店舗内全てもしくは、ほぼ全ての飲食物を定額で一定数飲食できる方法。

【目的】
　ほぼ全ての商品を利用し放題にすることで、月初に売上を立てて原価を調整した店舗作りを行う。
【正攻法】
　毎月又は毎週の商品を可能な限り変えていくことで、顧客を飽きさせず利益をコントロールしていく。

C．テイクアウト型サブスク
テイクアウト料理を定額で一定数飲食できる方法。

【目的】
　客席の回転数を上げずに店舗内飲食以外の売上を立てる。外食する時間が少ない顧客に対してアプローチを行う。
【正攻法】
　食べても飽きないメニューと変わり種メニューのバランスを考え（利用可能頻度による）日替わりにし、利用者に対してメニュー内容の事前告知を行う。

D．デリバリー型サブスク
店舗内全てもしくは、ほぼ全ての飲食物を月定額で利用し放題にする方法。

【目的】
　遠方に住んでいる方や営業時間に店舗へ訪れることが難しい方向けに販売し、店舗の認知度向上と売上増加。
【正攻法】
　（配送料などにより通常より高額になるため）定評のあるメニューをラインナップに入れ、簡単な調理ですぐに食べられるような商品開発を行う。

E．期間限定型サブスク
期間限定で、店内メニューの一部もしくは全ての飲食物を月定額で利用し放題にする方法。

【目的】
　一定期間の来店客数を増やすための販促施策の１つ。または、人気メニュー以外に注文を増やすための施策として。
【正攻法】
　A〜E以上に目的を明確化し、期間・施策費用・目標効果指数を持つ。目の前の利益より顧客メリットを増やし、将来的な店舗利益に貢献する。